アメリカのとある少年の人生を変えた、日本の自転車
FUJIの「THREE DOT」ロゴに込められたストーリー
かつて国産自転車としてナンバーワンのシェアを獲得したFUJIは、1971年、念願のアメリカデビューを果たしました。
そして、FUJIのアメリカデビューから一年がたった1972年、ニューヨーク。
当時14歳の少年 William は、自転車好きである父と熱く談義を交わしていたところ、ある話を聞きます。
「これまでアメリカ製、イギリス製の自転車が高品質だとされてきたが、最近では、日本のスチールフレームが本当に素晴らしいんだよ。」
WIlliamは、日本製の自転車をその目で確かめるために「FUJI」が並ぶ、とある店にたどり着きました。
彼はショップに並ぶFUJIの自転車の仕上げの美しさを見て、感動しました。指でトップチューブの裏をなぞると、かつて見たイギリス製の自転車にはあったはずの、溶接の継ぎ目が感じられません。さらに、驚くことにアメリカやイギリスに比べいくらかリーズナブルなのです。
とはいえ、もちろん14歳の少年にはおいそれと購入できる代物ではありません。せめてカタログだけでも、とWilliamは、戸惑いながらも勇気を出して、店長のKenに声をかけカタログを手に入れました。
すっかりFUJIで頭がいっぱいになったWilliamは、家に帰り「いつかFUJIを手に入れたいな」と夢を見ながら、夜通しカタログを繰り返し読み耽りました。
翌朝、彼はいてもたってもいられず、再びその店を訪れました。
そしてFUJIに対する憧れの一心で、来る日も来る日もKenの店に通い初めます。そして開店準備を手伝うほどになるまでに、さほど時間はかかりませんでした。