FUJIの中の人が語る。製品紹介 03 ~FOREAL編~
「本物」である由縁かなり挑戦的とも取れるタイトルをつけさせていただきましたが…
本日も2021年モデルより、FUJIらしさを存分に詰め込んだモダンスチールバイク、FOREALをご紹介させていただこうと思います。
その前にまず、ロードレースにおけるとスチールバイクの関係性について。
例えば、現在はカーボンが主流であるプロのロードレースシーンにおいて、スチールロードが最後に活躍したのはいつ頃のことだったのでしょう?
ロードレース世界最高峰、ツール・ド・フランスにおいてクロモリフレームが最後に優勝を飾ったのは、おそらく1990年台中盤にまで遡ります。その後、エアロダイナミズムの進化により、フレーム素材はアルミを経て、カーボンへと移り変わり、クロモリフレームはプロロードレースの第一線から徐々に姿を消していくことになります。
ではそれ以来、スチールロードは「速く走る」ための進化を止め、スポーツバイクを愛する人達の選択肢から消え去ってしまったのでしょうか。
答えはおそらくノーでしょう。
FUJIは、現在のレースシーンの主流であるカーボンバイクを開発する一方で、これまでも競技志向のスチールロードを数多く生み出してきました。一線を退きおよそ四半世紀が過ぎようとしてる現在でさえ、スチールロードを支持して止まない人が確実に存在することを、わたしたちは確信しています。
フレームセットだけで40万円を下らないハンドメイドビルダーが作るオーダーフレームがクロモリであることも、国内国外かかわらずカスタム系のブランドの多くで素材の選択肢としてクロモリが挙がることも、もしかすると同じ想いのもとにあるのかもしれません。そもそも、現在はカーボンが主流とはいえ、およそ120年もの歴史を持つ前述のツール・ド・フランスにおいては、アルミやカーボンに世代交代していったのはこの数十年のこと。それらとは非にならないほどの長命で、スポーツバイクの王道素材として君臨していたわけですしね。